九月詠 水の惑星よ まだもちますか 金井重
 九月詠送らせて頂きます。
 それにしても九月の報告者さわやかでしたね。ほれぼれです。くるくるかけ回る2才のお兄ちゃんも赤ちゃんをおんぶしたおくさんも。いい家族ですね。ではあらあらかしこ。
お囃子の 響きにのりて ありありと
  八岐大蛇の 神代あらわる
うねり猛る かぐらの大蛇 黒衣をつつみ
  世に伝えきし 和紙のちからを
(石州和紙はユネスコ無形文化遺産)
登り来て 座禅断食の 館につく
  眼下に拡がる 相模の海原
対岸の 緑の山に 鳥居見ゆ
  陽光ゆれて 海面輝く
秋に入り 喰わずに 坐るもひもじからず
  小鳥の声の 無心に響く
健やかな 気とからだ希い 坐す人ら
  場の力生まれ 人の和ひろがる
ようやくの 雨滝のごと 激しかり
  変動の地球 おさまるか秋
今朝の秋 このさわやかさ この哀しさ
  水の惑星よ まだもちますか
CTの 骨蓋骨の中の 細胞に
  「もう少しぢゃけん よろしくたのむ」
ステッキと めがねと 歯を入れ補聴器と
  フル装備して 今日も旅ゆく