金井重@地平線通信&chiheisen.net

短歌2012〜2014

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▼2012年1月の地平線通信/十二月詠…あの日の川水

みぎひだり トンネル前の 羅賀の海
   鉄路まきあげし 波の青さよ

シンボルの 24棟 番屋街
   波の音のみの 机浜すぐ

白雪を ふんで大橋 渡りけり
   あの日川水 ぐんぐん引きしと

波まかせ 二夜ただよい 帰りつく
   気骨の船長 おだやかなメタボ

三陸の ことこと走る 鉄道の
   客は被災者 静かに座して

今世紀 初の卯年の 11年
   絆できずく なでしこジャパン

わくわくと 惑星「ケプラー 22b」
   あなたの名前よ これからよろしく

就活と 終活はやる 御時世よ
   今日も出歩く 終活もあり

後期、好機、光輝、好奇の 今日はどれ
   お出かけにかぶる 高齢者帽子

雨上り 血洗い池の 生き生きと
   鯉も口ひげ ピンと伸ばして

▼2012年2月の地平線通信/一月詠…奇しき神石

荒々し 猿田彦の舞に 軽やかな
   うずめ現れし 催馬楽神楽

天狗面の 勇まし猿田彦 うずめと舞う
   神楽囃子の 響きもみやびに

うっすらと 初夢なれど 定かならず
   あの世も手うすの 御時世なりや

粉雪の 白き歩道を 足早に
   赤ちょうちんの みろく横町ゆく

さあ今年 どうなるどうする 模索だが
   暗中ぢゃあないよ 行灯なのさ

常設展 「横向きピエロ」の 哀しさよ
   大きな鼻にも 結んだ口にも

いく度も これから先も 登りかと
   逢う人ごとに たずねけり

縄文期の 素やきの対の 耳かざり
   うるしの赤の あやしきいとしさ

新雪の 上毛三山 一望に
   ありがたきかな 山はふるさと

飛んできた 浅間噴火の 赤き巨岩
   稲荷神社の 奇しき神石

▼2014年1月の地平線通信/歳晩と元日と

サバイバル 登山の力と 聞く力
   会場に湧く 明日の活力

差入れの ケーキになごむ 会場に
   笑顔の交換 師走もぬくし

帰り道 初めての人と 会場の
   余韻につゝまれ 知己の如くに

電車のなか 「富士の山旅」 開きみつ
   編書も楽し 自然にひたれり
   (「富士の山旅」服部文祥編(河出文庫))

今年は「輪」よ 東京五輪に 富士山も
   ぞろぞろ数で 秘密法もとは

電車の席 今日もゆずられ 感謝して
   ゆらりどすんと 相手も微苦笑

風と波 はげしき元日 大島の
   初日をおがみ すべり出す今年

ごろごろと 溶岩流れし 三原山
   「ああ溶岩」の立て看板(タテカン)も嬉し

強風に ようやく出合う ああ溶岩
   どでんとふたつ ビューポイントに

★アア溶岩(aa lava)は、玄武岩質溶岩の表面の形態の一種。ガサガサで刺々しい状態になったもので、ハワイのキラウエア火山や、日本の三宅島、伊豆大島三原山などに多い。

上下左右 ビューポイントの 大風に
   立てずにふらふら 翻弄されたり

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