二〇一〇年一月詠
 金井重
 「狩猟サバイバル」を読んで

今の世に けもの撃ちて食う 壮士あり
 生命あふれる 縄文期想う
      ★
反基地の 選挙の声に 立ち止まり
 チラシを手にす ひるの駅前

 「土偶展」にて

縄文の ビーナスの前に 立ちつくす
 「出っ尻土偶」の 大地の光り

立ち姿 しゃがむ姿の どっしりと
 重き口あけ 土偶は語る

狩猟時代の 土偶はすべて 女なり
 祈る姿に 縄文文様

あふれでる 狩猟時代の エナジーの
 生命いっぱいに 土偶のゆたかさ
      ★
女正月 帰国の友と 甘酒くみ
 はなしの果ての 今年の初歌

インディオの日々の暮らしを語るとき
 われ若き日の ハポネッサとなる
   ※インディオ(中南米の先住民)
   ※ハポネッサ(日本人女)

粉ふきて ぷっくりメタボの 吊し柿
 喰みてひろがる 安達太良の里

海図なき 道草の旅 その後の
 おなごどち立つ スローな旅に